パイを奪うとは(ビジネス)

パイの奪い合いとは利益追求の陣取りゲームのようなもの

パイ(利益)とは、そのときに生み出された瞬間的な市場価値のことを言い、初めは花形のブームを呈しますが、やがて新たな商機が生み出されると影を潜め、さながら過去のモノとして扱われるのです

例えば、ケミカルウォッシュという服飾

これはかの光GENGIも愛着した色落ち加工のジーンズですが、一時は爆発的な人気で飛ぶように売れたものです

もちろん光GENGIの人気も凄まじいものがありました(今はその人気もすっかり冷め切ってますが・・)

このように瞬間的なブームとはいえ一世を風靡した歴代のアイテムは、のちに2つの道を歩むことになります

ブームが廃れたまま過去のモノとして放置されるか、年代物やコレクションのように貴重な文化財として保管されるかの2択です

ケミカルウォッシュの場合は後者にあたるでしょう

前者の場合、まさに市場に送り出すための供給が絶たれ、一切陽の目を見なくなるタイプです

最初は希少価値があり、そこいらの図書館でも売られていなかった本などが、BOOKOFFや古本屋でバーゲンブックとして安値で売り出され、その後再出荷(増版・重版など)がされなくなる、これも過去のモノとして「存在すら忘れ去られてしまう」タイプに分類されるでしょう

後者の場合は、例えば歴史を思わせるいわゆる骨董品や昔の出土品など、永遠に埋もれることのない希少価値のあるモノを指します

希少価値が維持されたまま博物館などに展示・保管され、一生モノの財産になるのです

本題に戻すと、パイの奪い合いとは後者の場合ではなく主に前者の場合に適用されるものです

後者はすでにそのモノ自体が財産と化しており、まさに不動の存在です

これを歴史から覆すというのはさすがに無理があるでしょう

今存在するYouTubeやX(Twitter)、Instagramなどの巨大プラットフォーマーに取って代わる機能群を備えた新たなデジタル技術を生み出す、のと同じくらいの無茶振りです

それはfacebookの創業者であり発明者でもあるザッカーバーグAppleを生み出したスティーブ・ジョブズよりもはるかに高度なイノベーション(革命)を起こすと言っているようなものです

それができて初めて「パイを奪えた」と表現できるのですが、果たしてそんな偉業を成し遂げられる逸材が、この世界にはどれだけいるのでしょうか?

すでに人気を確立した絶対的存在のパイを揺り動かすというのは、現実的な問題、無理な話です

1番可能性として考えられるのは、「パイを奪う」のではなく「パイを作り出す」こと。

自分が新たに発明した商品がバカ売れしてパイの座を埋めることができれば、類似した商品からあなたの商品への大規模な顧客の流入・移動が起こり、結果的に「パイを奪う」ことができます

そのためにはあらゆるマーケティングの手段を尽くして、商品を市場に送り出すためのノウハウを身につけなくてはなりませんね