顧客第一主義

ー概要
 
マーケティング戦略によって、顧客の動向を探り、ニーズを引き出して商品を売り出す。それはどの企業も共通して取る普遍的なルールであり戦略です。しかし、他の企業と被ったり、共通項が多くなればなるほど差別化は難しくなり、必要以上に価格競争の渦に巻き込まれてしまうでしょう。1つ商品の単価を下げたり、期間限定・地域限定・会員限定・タイムセール商品など、顧客がお得に感じる商品群を一通り揃え、顧客の購買行動を促していきます。
 
特にマーケティングの一環として用いられるのが、行動心理学。顧客は、常にトレンドや商品の変化を追いながら行動し、売買成立に至っています。例えば、旬が過ぎた商品を陳列コーナーに並べても、顧客は新しい商品に目をやってしまうでしょう。例外として、ポッキーやアルフォートなどのお菓子では「チョコ味」「いちご味」等、ある程度人気の固定された商品に対しては、いくら新しいフレーバーや味を追加しても既存の商品売上を超えることはできないでしょう。
 
ー行動心理学に基づいたマーケティング
 
少し横にそれましたが、では行動心理学に基づいたマーケティングとは一体何か。まずは顧客インサイトの可視化です。顧客インサイトとは、顧客の潜在的なニーズのことを指し、本当に顧客が求めている商品価値を見極め、市場に売り出す土台を作っていきます。そのためには、ユーザービリティの分析や、試供品・無料トライアル等の実施・支給も欠かせないでしょう。いくら顧客アンケートをとったところで、顧客の(潜在的ニーズ)は探れません。顧客のニーズに次ぐニーズに応えるため、顧客への充実したアプローチが必要となります。
 
例えば、商品を継続して買ってくれる顧客には、特別なクーポン券を渡したり、継続利用の人のみ20%割引などの特典を与えるのもアリでしょう。顧客ニーズとはそういうものです。商品価値もそうですが、何より売り手の待遇や顧客への態度によって、ニーズは変化します。売り手の対応が雑であれば、その後の継続利用は見込めないでしょう。「お客は神様」という日本ならではの美徳がありますが、まさに売り手はそれを意識する必要があります(個人的にこの考え方は好きではないですが)。
 
また、顧客は売り手の対応の良さを求めるため、例えばエステでも美容院でもいいので顧客が髪を切りたいとき、FAXや電話予約しかないホームページを見て「ここにずっと行こう」とはならないでしょう。また、ホームページの予約オプションも複雑で選択肢が多い場合、顧客はその時点で見る気を失せてしまいます。ホームページに入って予約成立に至るまでの導線や経路をきちんと確保あるいは簡略化させ、顧客のリードナーチャリングに繋げることが第一です。ネット予約はもはや当たり前です。それがないホームページは、基本「行かなくて結構」ですから。
 
ー顧客との関係性を第一に
 
とにかく顧客第一主義をモットーに売り手が消費者に対して様々なサービスを提供し、それに応じてくれる顧客との関係性を築くところから始めましょう。行動心理学で言えば、カリギュラ効果も目玉です。人間は、話題性のあるものに飛びつく傾向があり、多くの顧客が集中している店ほど「あ、ここは対応良さそうだな」と解釈し、さらなる増加が見込めるようになります。顧客満足度が高い今だからこそここで気を抜かずに。一歩でも対応の悪さサービスの不備を露呈させてしまうと、一気に顧客離れが起き、2度とその店に足を運ぶ人はいなくなるでしょう。そのためのサービス待遇です。