ホールディングス化

ー概要
 
会社を経営するオーナーにとって、どうしても途中で経営に行き詰まったり、事業がうまく立ち行かなかったりと、想定外のアクシデントはつきものです。その中の打開策としてよく挙げられるのが、「ホールディングス化」です。ホールは保有を意味し、株式を保有すること。つまり大企業となるオーナーが複数の傘下の企業を子会社にし、その株式を保有した支配形態のことを「ホールディングス化」と言います。するとどのようなメリットがあるか。
 
私は勤務も経験もない、20代の無職ニートですが、将来務めることになるであろう会社での経営戦略について深く学びたいと思い、たくさんの情報を落とし込みながら自分なりの考えも含め、最後に結論をまとめていきたいと思います。まず親会社となる大株主は子会社を包括的に支配できるため、少し表現は悪いですが配当金を子会社から巻き上げることが可能です。また、事業がうまく立ち行かない、あるいは従業員同士の縦割社会が横行した環境など、それらを改善するためにもホールディングス化は有効な手段と言えます。
 
ーホールディングス化のメリット
 
まず業績や利益の悪い不採算部門を分社化により切り離すことで、目玉となる事業を軌道に乗せることができます。また、従業員とその上の重役(社長や部長など)との上下関係が嫌で、不満を募らせている従業員にとってもホールディングス化は最適な手段と言えます。一社集中型の方式を改め、分社化した子会社が一続きになることで縦の社会から横への社会への移行が可能となり、従業員同士の円滑なコミュニケーションや賃金や報酬による待遇面での向上が期待でき、ひいては役員や社長といったポストの座が分散されるため従業員のモチベーションが上がるというメリットもあります。
 
従業員は何よりモチベが命です。中小企業のオーナーは多数の従業員を抱えていますが、どうしてもオーナーの強硬意見がまかり通ってしまう環境だけに、従業員が仕事に対してやりがいや責任感を持てず、あるいはチーム統制の乱れ、チームワークの崩壊につながるケースも存在します。そのためのホールディングス化であり、従業員同士のエンゲージメントを高める最大のきっかけとなります。しかし、何がなんでもことが上手く運ぶわけではありません。ホールディングス化にもちゃんとしたデメリットは存在し、それを把握したうえでリスクマネジメントをしないとゆくゆくは会社の存続が危うくなったり、最悪の場合倒産してしまいます。
 
ーホールディングス化のデメリット
 
例えば、コストの増大です。分社化により従業員が増え、人件費や会社の設備にかかる費用が増加すると、当然ランニングコストは膨れ上がります。分社化によって期待できる収益面でのプラスが、果たしてこのコストを上回ることができるかどうかが鍵となります。1社だけの場合、会社の本数が1つな分、それにかかるコストも最小化でき、1人の従業員に割り当てる仕事や報酬も多くなります。しかし、それはあくまで稀のケースです。中小企業の一角が売り手市場で買い手より売り手の価値が高まっている状態を作り出すには、ホールディングス化は避けて通れない道でしょう。
 
1つの会社で事業を始めると、どうしても部門ごとに収益が立たなくなったり、赤字損失が出ることはもはや当たり前の世界です。そこから不採算部門を切り離し、収益の目処が立つ事業部門だけを存続させることによって黒字回復した例はいくらでも存在します。ホールディングス化、リスクもありますがそれに勝るメリットも多いため、近い将来赤字で悩まされたときには、ホールディングス化の検討も視野に入れて、ときに税理士や社労士、弁護士、司法書士等の士業者に依頼を頼み、会社経営のアドバイスをもらうのもアリかもしれませんね。