数字のトリック

ー概要
 
数字のカラクリやトリックに騙され、安い宣伝にホイホイ乗っかってしまう情弱は存在する。例えば、「期間限定!」と書かれた商品群。ECサイトで見ると、そのような表示がされた商品群がズラーっと並んでいる。期間限定と聞けば、謎のプレミア感がある。何が何でもその商品を買いたいという衝動が働く。それはある種自然の本能で、安価で売られているセール商品や一定以上の買い物をすると配送料や送料がタダになるという仕組みも同様だ。そうしてECサイトは買い手の懐を狙い、売り手市場を形成する。
 
しかし、1度冷静になって考えてほしい。配送料が無料になるからといって、多くの買い物を済ませていいものだろうか。いざというときの買い置きならまだしも、「配送料・手数料無料」という安い文言に誘われて、多くの買い物をしていいのだろうか。答えはNOだ。安い買い物で済ませるより高い買い物をして、しかも+配送料無料という一挙両得を味わえるなら、後者のほうが断然いいという価値観はもう古い。見かけ上の数字や文言に騙されず、売り手の思うがままにならないよう買い物をしてほしい。
 
ー消費者心理を利用した悪徳マーケティング
 
売り手は、消費者のマインドをとことん利用してくる。まるでマインドコントロールと言わんばかりの人心掌握術で、人々の消費者ニーズを煽り、誘導し、売買成立に無理やりこぎつける。そして消費者から、ありったけのお金をむしり取る。これこそ「ヒト・モノ・カネ」の悪循環サイクルであり、知らず知らずのうちに売り手>買い手という構図が成立しているのだ。例えば、「当社比」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
 
刺身のトレイやプラスチック袋に入った商品のパッケージには、定価とともに「当社比20%OFF!」という文字が刻まれている。これは当社(つまり自社)が作る従来の商品よりもアップグレードし、品質や価格設定においてお得ということを示す言葉だ。しかし、ここも冷静になって考えてほしい。当社比というのはあくまで自社リサーチだ。つまり自社の中での比率であり、他社との比較ではない(そもそもライバル企業との比較や広告宣伝は景品表示法で禁止されている)。
 
たとえ改良されようが、従来の商品が平均値を下回るものだった場合、それが少しマシになった程度というだけ。つまり平均値をギリギリ満たしたか、それに近づけたかの2択なのである。このような表示は、顧客の誘導を狙っており、「お得感のあるものに釣られる」という消費者ニーズを利用した(私の中での)悪徳商法なのである。「ポリフェノール抑制30%達成!(当社調べ)」という表示もたまに目にするが、これも当社比と本質は変わらず、当社のみでの調べとなる。
 
平均値と当社の比率を計算すれば、どれが本当に優れた商品なのか1発で見抜けるだろう。そのような文言に釣られず、本当の意味での商品やブランド価値を見極めることができる。そういう人が1人でもいることを切に願っている。