色彩心理学

ー概要
 
色彩心理学は、決してポピュラーな分野ではありませんが会社や企業のマーケティングや顧客リサーチに深く関わる重要事項ですので、学んでおいて損はない分野です。色が与える心理的作用は、顧客の購買を促して売買成立まで結びつけることができ、企業の業績向上にもつながります。例えば、青という色は、一般的に「海の広さ(開放感)」「安らぎ」「心と体の調和」などの心理的充足感を与えてくれる貴重な色です。貴重な色だからこそ、商品のブランドイメージに青色をあしらうことで顧客の獲得につなげることができるのです。
 
特に、薬や絆創膏など薬理学的な作用をもたらす医療業界で使われることが多いです。病気を抱える人にとって必要なのは「心理的な安心感」。心と体のバランスを図る自律神経は病気と不可分の存在です。自律神経が乱れると、動悸やめまい、頭痛、腹痛、肩こり首こりなどの神経痛までさまざまな不調をもたらし、日常生活に大きな支障が出てしまいます。薬局や医療系の店舗では、コーポレートカラー(企業や会社が対外的にアピールするロゴや自社ブランドの色)が青色であることが多く、心理的な安らぎや心地よさを与えるという意味で青色の右に出るものはないのです。また、海や空をイメージしやすいことから、海運・管制・航空・船舶の分野でも用いられることが多いです。
 
ー緑と青の類似点
 
長々と語ってしまいましたが、次は緑。緑といえば、エコや自然の広大さをイメージしやすい色ですが、まさしくその通りです。主に植物由来の商品のパッケージには緑色があしらわれ、エコや自然環境保全を訴える団体グリーンピースなどもまさしく緑ですよね。緑は、青と同様「体と心の調和」を図りやすい色であり、見る人に対して心理的な安らぎを与えてくれます。また、自然に触れることをイメージしやすいという意味で、キャベツやブロッコリー、レタス、パセリなどの野菜類もやはり意図しない形とはいえ緑一色ですよね。
 
そしてこれらはビタミンを多く含んでおり、美肌やニキビ除去など整容効果ももたらす優れモノ。美容関係の方は、ベジタリアンとまでは行かずともやはり野菜を摂る人のほうが多いのではないでしょうか。好き嫌いがはっきり分かれやすいですが、緑という色に誘われてついつい商品を買ってしまう客もいるほどですから、色彩心理学がもたらす効果は絶大ですね。