オウンドメディアの重要性

ー概要

 

企業が会社が自社向けに発行するパンフレットや広報誌などの、いわゆるオウンドメディアに該当する宣伝ものは、対象エリアが限定的であり発行対象も一部の顧客層に限られている。例えば、顧客アンケートがいい例だ。多くの会社は自社が持つ商品の良さをアピールするため、顧客アンケートをとって顧客が求めているニーズを潜在化し、例えば「この商品は20.30代」と言ったように細かいターゲットを絞ることでその商品とぴったりな層へアフターサービスやクーポン券の手配、保証期間の延長など様々な特典を与えることができる。いわゆる特定の時間帯や層に放送する「タイムCM」に近い通ずるもの。

 

そのためには顧客インサイト潜在的なニーズ)の分析から調査まで、顧客の属性・年齢・性別・趣味といった項目別に興味・関心に沿ったターゲティングを行い、その商品イメージやブランドを広報誌を通じて大々的にアピールする必要がある。オウンドメディアとは、いわば広報のための紙媒体(あるいはwebサイトやHPなどの電子媒体)なのである。しかし、アンケートをとるにしても一気に多くの情報を詰め込みすぎると顧客は第1問目から答える気が失せてしまい、顧客の獲得には結びつかない。

 

そのため、ある程度設問はコンパクトにまとめ、極力無駄な入力項目は省いて顧客への負担を減らすことが第一の達成目標として挙げられる。また、顧客がいい加減な回答をするのを防ぐようダミーを交えた設問を盛り込んで、半ば間接的に適切な回答へと導くといった方法もあり、極めてアナログ的手法だが効果的である。例えば、「スマホは触ったことはありますか?」という質問の後に、「SNSは何をやっていますか」という前項と矛盾した設問を入れることでデタラメな回答を阻止し適切な回答へと焚き付けるのである。

 

企業風土や従業員の関係性、会社の仕組みからルール、社是まで包括的にまとめた広報誌を作成し、新卒や中途などの求人に結びつけるのも会社の役目である。今や就職氷河期を終え、就職戦線とも呼ばれるほど就職への競争率や母数は高まっており、豊富な知識やIT化に適応した若手が主に狙い目である。新卒一括採用と呼ばれるシステムのように、新卒者への求人サポートはどこの企業も余念がない。それだけ若手は貴重な財産であり、社会活動・生産活動・知的活動の一端を担う重要な存在なのだ。

 

ー差別化を図れるか否か

 

そのため企業は幾多のひしめき合う競合との差別化を図り、クリエイティブさをより追求していく必要がある。例えば、求人募集要領に自社のアピールだけを書くのではなく「何を目指したいのか」という明確な目標意識や、「従業員とのつながりを第一に」といったような社是をアピールしたり、「絶対に守ってほしい禁止事項」などの定款を明示することで、ある程度の信頼性が担保された企業というイメージ醸成につながり、求人票も次第に集まってくるようになる。まずは競合との被りをなるべく避け、独創性やオリジナリティさを打ち出すことでその企業だけが持つ強みを存分にアピールしよう。

 

そのためには、やはりオウンドメディアの利用が欠かせない。顧客アンケートの実施や、Webサイトへの顧客のアクセス数から離脱率、コンバージョン率などを含めた数値的な指標も参考にしつつ、アクセスから購入に至るまでの経緯、及びその誘導から購入に至るまでの適切な導線や経路の確保など、Webサイトの使い勝手さも顧客獲得の理由となりうる。また、トーンマナー(サイトの世界観や文字表記などを統一したイメージ戦略)を意識した統一性のあるレイアウトやイメージ設計まで、代行会社に依頼するという手もある。仲介手数料という余分な費用がかかるものの、それ以上の集客が見込めるならイメージ戦略に力を入れて損はない。ここでいかに差別化を図れるか、それも企業の勝負所なのである。