日本のお笑い

ー概要

 

日本のお笑いブームは、大きく分けて5世代に分類されます。1つ1つ説明するのは時間がかかるので割愛しますが、いわゆる初期の第1次お笑いブームと呼ばれた時期は漫才やコントなど多様なジャンルのお笑いを生み出した原点とも言える時期です。例として、ゆーとぴあのゴムパッチン芸、チャンバラトリオのハリセンチョップ等が挙げられます。これらは当初、お笑いブームの火付け役を担う役割を果たしたうえで、行進のお笑い芸人に強く影響を与えました。まだテレビが主流だった頃、お笑いスタ誕!やM1などの番組が出てきたことによりトップの座をかけて賞金を争う若手のお笑い芸人が次々に参入。その中で多くの脱落者が存在し、生き残れたのはごくわずかですが、例えばサンドウィッチマンに代表されるお笑い芸人がM1での優勝を通してお笑いを本格的に仕事として成立させるコンビが登場するようになりました。

 

サンドウィッチマンの存在

 

サンドウィッチマン…。今や言わずと知れたお笑いブームにおける先駆者バディですが、2人ともに太った体型をウリにさまざまなコントに挑戦し、緩急織り込んだ無駄のないコントが大変うけてM1グランプリの栄冠に輝いた日本のお笑い芸人でも数少ないベテランです。今なお新しいコントを生み出すことに余念がなく、その安定したクオリティの高さは見る者に対して安心感を与えてくれるのです。サンドウィッチマンだからこそまた見ようってなるのです。お笑いのネタは出し尽くしてしまえば見る者のマンネリを誘い、今後2度と見られなくなるリスクをはらむのですがサンドウィッチマンの場合は常に新しいネタ、新機軸に挑戦しているので見る者のフレッシュな感性を毎度のごとく呼び起こしてくれるのです。ここでそれが来るか!みたいな驚きや意外性のある展開が多いので見る者のマンネリを誘うこともなく上手に観客の心をつなぎ止めています。

 

ーお笑いにおける成功法則

 

例えば、前に述べたゆーとぴあのゴムパッチン芸。極太のゴム紐を相手の口にくくりつけて思いっきり外側に引っ張ってから外す、という痛みを伴う捨て身のコントがウケたのは最初だけでその後はマンネリ気味の視聴者が徐々に離れていき、新しいネタに挑戦するもジリ貧は避けられない状態が続きました。お笑いというのは1度視聴者に「飽きたな」と思わせてしまえばその時点で失敗なのです。もし特大なネタを隠し込んでいるなら無理に出し惜しみする必要はありません。堂々とそのネタを披露しましょう。飽きられたゴムパッチン芸はさっさと封印して、別のコントに挑戦しましょう。見る者を楽しませる、どんなネタでも笑いに変えることが第一なので無理に昔のネタに固執することはありません。余計な愛着は手放して、次の新規ネタを作り上げていきましょう。

 

サンドウィッチマン陣内智則タカアンドトシなどは、まさにその成功例です。彼らとて最初はネタの内容やツッコミの方法に特段の面白さがあったわけではありません。コントを重ねるうちに笑いを取ることができる層への詳細なターゲティングや把握が可能になり、コントの質を徐々に磨き上げることに成功したのです。この年齢層にはこのネタがウケるといった分析を重ねるうちに、「同じネタやマイナーなネタでは伸びない」という1つの成功法則を見出すことができたのでしょう。まさしく生きるお笑い界の先駆者的存在ですね。サンドウィッチマンなしに今のお笑いは語れないといってもいいほど日本のお笑いブームに影響を与えたのは紛れもない事実でしょう。さすがです。