形相因とは(哲学)

ーー概要
 
形相因。難しそうな言葉ですね。でも意味は単純です。デカルトの「我思う、ゆえに我あり」という名言はご存知でしょうか⁇自分が自分であることの認識、つまり自分を自分たらしめている原″因″のことを示しています。具体的な例に踏み込んでいきましょう。
 
実はつらつらと偉そうなことを言ってしまった自分ですが、これでも哲学をかじったばかりの初心者です。哲学の考え方は際限がなく、まさに正解がない国語学や論理学に通ずるもの。だからこそ意見の対立は常に起こりうるし、どれが1番正しいといったものはありません。あくまで自分なりに視点を変えつつ世の中に溢れる″あたりまえ″が″あたりまえでない″ことに主眼を置く必要があるんです。したがって、私のこれから言う形相因の具体例も主観混じりで根拠には欠けるものです ですからそこまで難しく考えすぎずにあくまでゆる〜く考えてください では本題です
 
ーー形相因の具体例
 
前述した通り、形相因とは「事物が事物たる存在理由、原因」という意味です。
 
例えば、電車という例を見てください。
 
電車は走る乗り物です。そして多くの乗組員を含め線路やレールを走る乗り物です。
 
一見すると当たり前のことを言ってますが、この走る乗り物が電車の存在に他ならない、その理由づけが必要なんです。
 
これこそ″電車が電車たる存在理由、原因″です。
 
さらに言えば、″形″相因であるため、本質というよりは形そのものが電車にたる認識でないとダメなんです。
 
一般的に電車と聞いて思い浮かべる形は車両ごとに連結したなが〜い長方形みたいなものではないでしょうか。そしてこれを形作るのは設計図。つまり電車を作る際に参考にするプロットなんです。
 
わかりにくいかもしれませんが、これが電車の形相因であり、形をイメージするのに必要な情報は設計図しかありません。
 
そして前に述べた「乗組員を含め線路やレールを走る乗り物」というのは″目的因″というものです。形相因と同時に出てくることが多いのでついでに覚えておきましょう。
 
目的因とは、その名の通り何を目的にしてその原因が生じているか、といった意味です
 
それは当然電車に乗る客を遠くまで運ぶことです。簡単な話ですね。
 
ちなみに余談ですが、目的因は「外在因」と呼ばれ、形相因は「内在因」と呼ばれます。
 
他にも「質料因」や「始動因」などの言葉も出てきますが、そこまでやると複雑になってしまうのでここでは割愛します。
 
一般的に電車のイメージはなんとなく湧いたでしょうか⁇
 
今度は人間そのものについてです。
 
人間が人間たらしめる存在理由、それは難しいですよね。
 
遺伝子検査⁇それとも人の生命が誕生するときの断面図⁇ しかしあくまでそれは恣意的な根拠です 絶対的な答えは存在しません
 
しかしアリストテレスは神を信奉することで知られていた哲学者または神学者です。神を根拠とし、人間は存在する。これはアリストテレスの言葉を借りれば「第一哲学」と呼ばれる分類に立ち、神が創造した人間こそが人間たらしめる理由そのものである、ということです。
 
いわゆる唯物論の考えで神が自然に託したあらゆるものは神によって創造された、そしてその1つである人間もまた、神と軌を一にする、まさしく絶対的な存在なんです 
 
そこに遺伝子だとか断面図だの外的な理由を含むことはできません
 
したがって、正解は「神」そのものです
 
ざっくりした説明になりましたが、もっと研究すればさらに深いところも見えてくるかもしれません
 
…ということで、今日はここまでです
 
最後まで読んでくれてありがとうございました。