母なる愛情

⚠️アテンションプリーズ

この記事では昆虫を始めとした閲覧注意の文字が含まれています。

虫に苦手意識のある方はこの時点で記事を閉じてください。

しかし虫による壮大な世代交代のシステムを自分の身体1つ犠牲にしてまで完結させている、という事実を知りたい方は、最後まで読んでください。

 

皆さんはムレイワガネグモという昆虫をご存知でしょうか。

日本ではまず見かけない特殊な蜘蛛なんですが、この蜘蛛の持つ世代交代システムは、驚くべきものがあります。

母として生きるムレイワガネグモは、子どもの蜘蛛を産卵し、子どもを守り尽くします。

そしてここからがムレイワガネグモの注目すべき点です。

ムレイワガネグモの母親は子どもを産んだ後、体内がギトギトの溶液で満たされます。

それはなぜでしょう?

その間は餌も食べませんし、液体はしたたるばかりです。

このままではムレイワガネグモの身体そのものが腐ってしまう。

しかしこの液体はムレイワガネグモの母親が産んだ子どもの栄養源となっており、最終的に液体が尽きると母親の内臓から骨の髄まで全てを食い尽くし完全な養分としてしまいます。

残酷に思えるかもしれませんが、これこそが母なる犠牲(もしくは愛情)と言えるでしょう。

液体を出している間は、あらゆる生体機能が萎縮し、弱っていきます。

だからこそムレイワガネグモの母親は厳しい生育環境の中で咬力を持たない子どもに対してどのように栄養源を与えればいいか、考えた末の世代交代システムなのでしょう。

人間で言えば、母乳を赤ちゃんに与える行為と似てますが、それで例えるのは少し違いますよね。

ムレイワガネグモの母親は自分の身体を犠牲にしてまで生命をつなげているんです。

母親の犠牲で成り立つ存在…それがムレイワガネグモの子どもなのです。

…すごい世代交代システムですよね。