掛け率とは何か

ー概要

 

メーカーから卸売業へ、卸売業から小売業へ、小売業から一般消費者へ、マーケティングにおいてはメーカーが卸した商品を卸売業が仕入れ、さらにそれを小売業へ卸して一般消費者へ商品として販売する、という一連のプロセスを踏む必要があります。私は、よくコンビニやスーパーなどに行きますが、ふと思うのがこれらの商品はどのように価格設定されて、どのように利益を出しているのか。そこでよく出てくるのが利益率という言葉です。

 

利益率とは、販売価格に対する利益の割合のことを指します。簡単に言えば、利益率が高いほど商品の流通が上手くいっていることの証拠であり、利益を多く出している状況と言えるでしょう。利益率の計算法は、売上(販売価格)÷仕入れ値(卸値)で60000円の利益を出し、さらにそこから利益価格(60000)÷売上(販売価格)で利益率を出すことができます。もし販売価格が100000円だった場合、利益率は60%となります。

 

仕入れ値・卸値とは

 

ちなみに仕入れ値とは、メーカーから仕入れた卸売業の人件費や運送費含めたコスト、さらに卸売業から仕入れた小売業のコストを指し、ほとんどが低価格に抑えるよう値引き交渉をします。というのも、仕入れ値が高ければ高いほど維持費は膨らんでしまい、商品の価格を高く設定しなければならないからです。顧客は値段を何より見ます。喉から手が出るほどほしいセール商品であったとしても、セールなだけに価格は変動してしまい、仕入れ値から利益率までおおよその目安を計算する必要があるんです。その場合はExcelなどの表計算ソフトで十分でしょう。必要以上の価格競争に巻き込まれると、値上げを強要せざるを得ない不利な状況を作り出してしまうため、なるべく仕入れ値を抑えて「安かろう悪かろう」ではなく「安かろうよかろう」の精神で商品を叩き売る必要があります。

 

そこの交渉がシビアで、利益が仕入れ値より下回ってしまった場合には、赤字損失となります。ここでよく出てくるのが掛け率という概念。販売価格に対して仕入れ値・卸値がどれくらいの割合なのかを表す比率で、%で表現されます。仕入れ値が高いと掛け率も高くなり、その逆もしかりです。なので卸売業者や小売業者は、いかに最初の仕入れ値を調整できるかによって命運を左右します。掛け率とはそういうものです。掛け率は、最終目標の利益率を出すうえで1番重要となるポイントです。

 

例えば、6000円販売価格で4000円仕入れ値の商品を例に出して、掛け率を算出してみましょう。計算は至ってシンプルです。仕入れ値÷販売価格×100ですぐに掛け率を割り出せます。計算すると66%。つまり販売価格に対して66%の原価がかけられたということです。まあ平たく言えば自分達が設定した販売価格は66%の原価(仕入れ値・卸値)によって成立したもの。ということは、原価や掛け率が販売価格(売上)よりも下回れば当然赤字となり、コストは回収できずに余計な出費だけが重なってしまいます。コンビニやスーパーなど小売業を営む店舗は特に重要となる事項です。覚えておきましょう。