AIの普及による人間への悪影響

ー概要
 
今の時代、IT化の波が押し寄せ、世界は急速な変化を受けています。そんな中、読み書きやExcelなどの演算処理に関わる事務系の仕事は、ほとんどAIによって代行されており価値が減少しています。最近ではchat GPTによる成長が凄まじく、常にアップデートを繰り返しながら進化しています。今の時代ではITによって子育て系を除くほとんどの仕事がAIに奪われ、特にホワイトカラーで働く人は否が応でもジョブチェンジを余儀なくされることでしょう。そんな中、多くの人は”文章”というものまでchat GPTをはじめとするAIに代筆させていることを知り、少し危機感を覚えました。本稿ではそれについて詳しく述べたいと思います。
 
ー文章力という名の武器
 
文章…。そしてそれを書く力「文章力」。読み書きそろばんが当たり前とされた世界は崩れ、今ではAIでなんでも取って変われるという認識が生まれました。それについて、私はとてつもない危機感を覚えたのです。それはAIが人間にできることを何でもかんでも代行させていては、いつか人間の手は廃れ、まともな働き手もいなくなってしまうことを暗に示しているのと同じ。要するに、AI頼みになってしまっているこの現状を、一刻も早く打破しなければならないという危機感に駆られるのです。文章もまさに同じで、AIによって書かれた文章は正確性があり、当たり障りのない表現がズラーっと並びますが、それは人間にとっていいものなのでしょうか?
 
人間によって書かれた文章は多少イレギュラーがあり、何事もつつがなく書かれたAIの文章とは少し印象が違います。ここでいうイレギュラーとは、誤字脱字や表現ミス、独特な表現やユーモアのことを指します。AI(特にchat GPT)は良くも悪くも”普通のこと”しか書きません。レポートや論文、ビジネス書や実用書の執筆には向いてるかもしれませんが、例えば自分の意見をはっきり伝えたいオピニオン記事や書評欄、読者アンケートの自由記入欄などAIによって書かれた文章ではどうしても伝えきれない部分が生じます。その場合、表現性に難があるAIの文章では限界があるのです。
 
皆さんは色めき立つ。という言葉(複合動詞:色めく+立つ)をご存知でしょうか?これはある物事に興奮する、という意味合いを持つ言葉ですが、前後の文脈でさまざまな使い方に応用できます。例えば、興奮するという意味以外にも「色」を冠する言葉には「敗色濃厚」「焦りの色が浮かぶ」「秋の色」「色気がある」など、様々な名詞にくっつけることができます。しかしAIの場合、このような言葉が文章の中で1度でも出てきたことはありません(経験上)。色気がある。というのは何度かありますが、ちょっとユニークな言い回しをしてほしい場合もAIは勝手に人が想像しやすい表現に置き換えてしまう悪癖があるので、それがAIの文章の地味さを際立たせている1つの原因だと思っています。
 
ー総合評価
 
総じてAIの文章に慣れてしまうと人間は自分で書くことをやめてしまいます。読み書きができず、ただAIができることなら全て任せてしまう。もう今の時代ではラジオという機材も古いという扱いです。ラジオは耳に入ってくる情報だけを頼りに音声を聞くので、一種の脳トレにもなりますし、実際ラジオを聞いた試験者の脳波を測定したところ、脳機能を司る前頭前野の動きが活発になり、さらにベータ波も増えていたという研究結果が出されました。
 
これは視覚情報がない分、「耳に入ってくる情報だけで考える」というプロセスを介するため、必然的に脳の働きも活性化するというもの。しかしAIはその「聴く」という作業はおろか「書く」「読む」というプロセスまで排してしまっているんですから、現代人の言語能力は著しく低下していると言わざるを得ません。「書く」ことは頭の体操になりますし、「読む」ことはインプットにつながります。また、「聴く」ことは一種の傾聴です。人の悩みや相談に耳を傾けるカウンセラーや理学療法士の方には、まさに必須の特技といえます。
 
急速に進むIT化の流れで、人間の脳は次第に退化してしまうんじゃないかと…。まさにそれこそAIによって身も心も支配される時代が来そうですね。