妊婦 気をつけるべきこと

 
ー概要
 
妊婦の母体の中にいる赤ちゃんは、羊膜というものに包まれ、さらにその周りを満たしている羊水によって守られている。そのため、妊婦はどうしても水分が羊膜のほうへと行ってしまいがちで、脱水症状に陥りやすい。妊婦は正期産を迎えるまで赤ちゃんを手厚く保護する必要がある。もし妊娠中、何らかのトラブルや衝撃があると母体の中にいる赤ちゃんにまで影響を及ぼしてしまう。
 
例えば、妊婦の日頃の姿勢だ。ずっと立ちっぱなしの状態が続くと血液が静脈へと集中し、栄養素や酸素が赤ちゃんに行き届きにくくなり、羊水が不足(破水)すれば赤ちゃんは飲み物を確保することができず、場合によっては死産あるいは流産になる恐れも。もし少しでも身体に違和感が生じたら、すぐに婦人科外来および内診を受け、医師の指示に従って安静にしておこう。早期にトラブルの予兆を発見すれば赤ちゃんの生命を存続させることができ、気持ち面においてもプラスに働くはずだ。
 
例えば切迫流産だった場合、陣痛を促すピルを投入することで赤ちゃんを母体外に出すことも可能である。正常な妊婦の母体は妊娠週数37週目で出産できるようになり、この時期を「正期産」という。これより早いと早産、さらに早いと流産ということになり、深刻度はより増していくので早めの診察が必要だ。母体の保護は、赤ちゃんの生命維持にとって欠かせない要素となるので、妊娠中特に気をつけるべきことを以下に記載する。
 
ー母体を冷やすな
 
まず、母体は絶対に冷やしてはいけない。母体の中には子宮というものがあり、これが周期的に収縮を繰り返すことで陣痛が発生したり、あるいは少量の出血を伴うこともあるが、だいたいのケースは出産が近づいているよというサインなので何の心配もない。しかし、子宮というものはデリケートな部位であり、少しでも身体を冷やすとそれに連動して子宮まで冷えてしまい、赤ちゃんの生命維持にも大きな影響を与えることになってしまう。
 
例えば、子宮口は冷やすことで閉じてしまうことは有名である。私にも詳しい原理はわからない。…が、例えば極端な話、ダッチオーブンにかけたパンが膨らむ(開く)のと同時に、冷や水をぶっかければヘナヘナに萎縮(閉じる)してしまうのと同じ原理と解釈している。そのため、温野菜や温かい飲み物の摂取は不可欠であり、水の場合は1度沸かしてから飲むと良い。できれば浄水が好ましいが、もし浄水がない場合は水道水で代替可能であり、その際は必ず鍋で煮沸させてから飲むように。生の水道水は多くの雑菌を含むため、母体の胎盤を通して雑菌が侵入すると赤ちゃんの健康状態を損ねてしまう恐れがある。
 
ーストレスとの関係性
 
そして1番母体保護において大事なこと。それはストレスだ。母体の状態は妊婦のストレスによって左右されるところが大きい。ホルモンバランスと密接に関わる子宮では、分泌されるホルモン量によって子宮口が開いたり閉じたりする。収縮も繰り返す。そのため、ストレスの多い環境に身を置いていると羊膜が破れて破水したり、場合によっては赤ちゃんの脳機能や言語能力にも大きな影響を及ぼす可能性がある。
 
なるべくストレスのない生活を心がけ、妊娠中ではアルコール類やコーヒーの摂取は控えること。コーヒーは特に覚醒作用があるので、ストレス過多になりやすい。その場合は前述したようにお湯で沸かした水を飲むことが1番望ましい。そのほか、日常的によく飲む味噌汁やココアなどは糖分が含まれているため、妊娠中はそれらの飲食も控えることが大切だ。
 
糖分は母体内の血糖値を上げてしまい、ただでさえ免疫系機能が低下しているので糖尿病にかかりやすい。なるべく健全な水を飲むようにしよう。つわりによって水分が不足することも多いので、1日にとる水分量は妊娠前よりも倍以上に増やすことも重要である。今まさに妊娠している妊婦および経産婦、その過程を見守る旦那さんにとって、この記事が一助の参考になれば嬉しい限りである。