クマの異変に気づいたのはつい最近の事です。
クマの様子がおかしい。
北海道から本州にかけて各地に生息するクマの異変に気づいたのはつい最近の事でした。
メディアを見ると、どこもかしこも「クマの出没事件」という文字が躍っている。
これはもしかするとクマの生育地である森林や山岳地帯が減少し、人里にその住処を移す野生のクマが増えたからなのでは⁇と思ってしまう。
クマに限らず、動物には自分の住まう巣穴が必要です。
そして巣穴は基本的に山や森の中にしかなく、市街地や人の多い密集他ではとても巣穴で生活できません。
その生活圏が及ぶのは本州全土。
つまり日本の東西南北を問わず、あらゆる場所にクマの巣穴が存在しているのです。
ではクマの生活圏を脅かす存在とは⁇
それこそまさに人間です。
人間は山や森林を伐採して動物の自然豊かな場所を奪ってきました。
それは地球温暖化の原因にもなっているのですが、クマの出没事件にも密接に関わっている事実なのです。
ペットボトルをマイボトルにしろだとか刺身のトレースを捨てるなだとか、そんな環境保全丸出しのエコロジーを提唱する暇があるのなら、まず人間による自然への破壊行為をやめさせるべきです。
都市開発のためとかもっともらしい理由をつけて自然破壊論を正当化するようなロジックが有識者から一般国民にまで伝播してしまうのは非常に由々しき事態です。
有権者(国民)には「地球温暖化が進んでいる」「海面温度が上昇している」「メタンが増加している」という事実も知らなければ、クマの生育頭数がそれで減っている事実さえ知らない。
これは無知の極み…という言葉では済まされないほど人間という生き物は現在、取り返しのつかないことをしているのです。
水面下では平均気温が40℃超えだのレッドリストの指定種が増えてるだのあらゆる方面での危機は進んでいるのに、人間は自然破壊というエゴをやめようとしない。
クマやその他動物が生きるためには巣穴という生活圏が必要です。
そこをテリトリーとし、受精と接合を繰り返して絶滅しないよう生きながらえてきた動物なのです。
にもかかわらず、人間は進化というごく当たり前のプロセスにあらがい、自然破壊という名の暴挙を続けています。
絶滅危惧種をこれ以上増やして人間だけの世界を作ろうという意思表示なのでしょうか。
だとしたらとても恐怖を覚えます。
私たちは進化の中で、あらゆる動物を捕食したり、あるいは利用したりして生命をつなげてきた生き物です。
動物の犠牲のもとに人間という生き物は今も存在しているのです。
それをあろうことか、今度は用無しと考えた人間たちは、動物の住処までも奪って自分たちの生活圏を広げようと必死になっています。
命あるもの、それは動物であれ等しく尊重されるべき存在です。
人間は目の前の利益や欲望を達成するためには、動物の犠牲もやむを得ないと考えるほどの利己的な生き物です。
最近聞かれるクマ出没事件は、そうした人間へのクマの復讐なのではないでしょうか。
もちろんそれだけに問題を矮小化するわけではありませんし、この事件を容認するわけでもありません。
ただ人間が生み出した弊害からクマの出没事件が増えるようになった…と考えれば、人間も一度原点に立ち返って考え直す必要があるのではないかと、最近はそう思うのです。