学校法人(運営の見直し)

ー概要 

コロナ禍で目まぐるしく変化が進む現代、あらゆる中小企業や個人事業主がダメージを受けた。特筆すべきは、私立学校の人員不足。学校で働く教職員や清掃業者は無論だが、学費の高騰や少子化に伴う学生数の減少も深刻さを極めている。何より学費が払えず、自分が行きたい第1志望校への入学を拒否されたという事例も多くある。そもそも学費は寄付金の一部として勘定科目に計上される。ちなみに校舎の設備(冷暖房や遊具など)はすべて「基本金」で賄われている。基本金は学校の運営維持に必要な資金のことだが、それは学生たちの授業料に依存するところが大きい。

つまり在籍生の数が減るほど、基本金は不足する。それは老朽化した設備にあてる資金の不足をも意味し、これが続けば学校は統廃合や分離を余儀なくされる。あるいは廃校になることも。基本金として計上した勘定科目には、国から出る補助金と寄付金、そしてそれらの合計額から基本金を引いたものが記載される。つまり「合計額から基本金を引いたもの」が学校側の純利益となり、最終的な利益なのである。これが不足しているのはなんとも深刻な話だ。例えば、高い教育費のために親御が私立大学への入学を蹴って、学費の安い公立校に移動したとする。するとどうか。私立校に在籍する学生はますます減り、授業料という名の搾取は膨らむばかり。ようは本末転倒なのである。。

ー原因

出資法人と学校法人の連携を図る。また、設立した出資会社の利益分を学校法人の維持費にあてるといったもの。しかし、出資会社は基本的に給料が少ないため、従業員の数が少ないというデメリットがある。そのため、従業員1人に当てられる仕事の量も増えるため社員全体を巻き込んだナレッジ・ノウハウの共有が限定的になってしまう。それは社員1人の負担にもつながり、過労死ラインをはるかに上回るペースで漕がせ続けるのと同じなのである。ほとんどが有期契約社員出資法人からの出向者なので、正社員の雇用は現状難しい。

会社、つまり出資会社ならば、社員を増やす目的でM&Aや分割型の会社を目指して、既存の会社と新設した会社と利益を享受しあい、学校法人を支えるといったもの。この場合、社員1人が割く労働時間も減らすことができ、より効率的な業務を実現することができる。出資会社が潰れたら学校法人も終わりというハイリスクな関係性だが、なかなかに良い協働体制だ。学校と会社による協働実践によって、生徒たちの伸びやかな成長に繋がれば、この上ない喜びである。

 

ー最後に

 

学校法人は、コロナ禍の影響により運営の見直しを大きく迫られている。国による補助金や公的補助も、コロナによる打撃で減少。むしろ、一切支給されない事態も発生している。そんな中、いかに学校法人側は財源確保のために動くか。どんな対策をすれば、利益の享受につながるのか。よく模索する必要がある。もし生徒の数がこのまま減り、団塊世代後期高齢者に突入してしまう問題を迎え少子化が進めば、さらなる経営危機に陥ることは間違いないだろう。