病気

ー概要

病気とは、人の生命活動を脅かすもの。たとえ軽い病気であっても、適切な治療を施さなければ命に関わりかねない。身近に潜む生活習慣病から、がんや腫瘍など重篤なものまで、病気の種類は多岐に渡るが、いずれも早い段階で治療を施せば命に別状はない。

 

そう、多くの人が軽い病気だと見て対策を怠り、のちの検診で医師から「末期症状」「末期段階」と言われて、絶望する。がんや腫瘍は特にその代表的な例である。進行途中ならば摘出手術やポリープ腫瘍切除で、早い段階から進行を食い止めることができるが、多くのがん患者が軽い病気だと見て病院で検診を受けることもなく放置する。

 

そのため、どんな軽い病気だと思っても必ず1度は医師の診察を受けるべきだ。がん患者の多くはそれを見落としている。糖尿病や口や喉の渇き、激痛が走る骨格の歪みなど、目に見える形で発現する症状ならば早い段階で手を打つことができるが、がんの恐ろしいところは初期段階では何の症状も現れないことだ。

 

命に関わる重篤な病気でありながら、体を少しずつ蝕んでいくがんはまさしく指定難病であり早めの治療が欠かせない。少しでもタイミングを誤るとすでに手遅れ…といったこともありうる。実際、それで亡くなった人は数え切れない。

 

ー身近に潜む恐ろしい病気

 

がんはもとより生活習慣病や糖尿病、うつ病や精神病など、身近に潜む病気は数え切れないほどある。代表的なのがうつ病であるが、これは完全な治療法がなく、いまだに治療が難航しているのが現状だ。抗うつ剤を飲んでも今ひとつ効果を感じられない…という患者も多くいる。

 

精神病院に通い詰めるうつ病の患者は、得てして現実逃避に走りやすい。悪い言い方になってしまったが、そうではない。うつ病は勉強や仕事などのストレスが重なって発症するものだ。現実で耐え難い苦痛があると、人間はそれを感情の奥深くに押し込めようとする。それを精神医学用語では「抑圧」と呼ぶが、このプロセスが長引き抑圧から解放されないまま生活を過ごすと、今度はストレスの症状を超えてうつにまで発展する。

 

うつに発展するまではストレスという軽微な症状にとどまっているが、それがいつまでも続くと不安障害、パーソナリティ障害、精神障害などの病気にまで飛躍する。ある種のヒューマンエラーであり、本来は自己治癒力に任せて回復させるところを、何らかのバグが生じてしまい誤作動を起こす。人間の体は自己治癒力というものが生来備わっているが、あまりに耐え難い苦痛が生じるとそれも正常に機能しなくなる。そこには「抑圧」というある種の修正パッチも効かなくなる。だからこそ、ストレスフリーの生活をなるべく心がけるよう政府は奨励しているのだ。

 

また、脱水症状というのも油断できない。身近に潜む病気の最たる例だろう。体内の水分が不足することで口や喉の渇きを感じ、倦怠感やだるさなど様々な症状を呈する。特に原因として多いのが熱中症である。体温が急激に上がることで汗が過剰に分泌し、その体温を元に戻す作用が働くのだが、その作用が追いつかず水分が不足してしまう病気だ。長時間の運動やスポーツなどに起こりうる危険な病気である。だからこそ水分補給はこまめに。また、女性の場合は生理中でも水分は不足するので、男性以上に水分補給に気を配る必要がある。

 

ーコロナの影響

 

最近、医療でのベッドスペースや確保にあえぐ病院が増えている。その原因の一つとして、コロナによる急激な患者の激増だろう。すでに多くの病院はコロナの影響を受け定員オーバーしている。もはや腰を下ろす場所さえない。安心して一つのところに落ち着こうというエゴな患者があまりに多く、入退院を繰り返しては、医療現場を逼迫している。

 

もうすでに完治した患者も、手厚い医療サービスにすっかり味を占めて新規患者の場を奪っている。ベッドや病床の逼迫は、これまで以上に深刻さを極めている。コロナは今でこそ多少落ち着いたものの、それでも油断できない感染症だ。デルタ株の再来も無視できない。コロナが流行る以前までは、病院のほとんどが患者1人1人に最良な医療スペースと治療を施し、のちに社会復帰できるよう明るい将来を約束していた。摘出手術やポリープ腫瘍除去など、大がかりな治療を終えた後のアフターケアや神経脱落症の未然防止など、とにかく患者1人1人の対応に抜かりなかった。

 

ところが今はどうだろう。医療そのものが雑になってないか。医療従事者の数が減り、患者1人1人の対応に間に合わず、どうしてもケアがおろそかになってしまう。それは仕方のないことだが、病気は1人1人が抱える深刻な問題であるため、今後の医療サービスも否応なしに改革を迫られることになるだろう。最近ではチーム医療という、メディカルスタッフら(医療専門職)が協働・連携を図り、患者1人1人の治療に、適切な人材(分娩や出産のことなら助産師等)を配置することで、心身ともに充実を図るという前向きな試みもされている。

 

その地道な取り組みで、少しでも病気にあえぐ患者が減れば、私にとってもこの上なく嬉しい。